転籍制限「2年」削除 技能実習見直し報告案
技能実習制度・特定技能制度の見直しに向けた政府の有識者会議は11月24日、最終報告書案を提示した。技能実習に代わる新制度で、外国人就労者自身の意向による転籍が可能となるまでに必要な期間を「2年間」に設定できるとする案は削除。同一の受け入れ機関に1年超、就労すれば、転籍を認めることとした。本人意向の転籍がこれまで認められていなかったことから、激変緩和措置の検討も必要だとした。
外国人就労者本人の意向で受け入れ先を変更する転籍は、現行制度では原則、認められておらず、不当な長時間労働などの人権侵害につながるとの批判があった。
15日に開いた前回会議で転籍が可能になるまでの期間を「2年間」に設定できるとの案を示したが、見直しを求める意見が複数、挙がっていた。
今回の最終報告書案では、こうした意見を踏まえ、同じ受け入れ機関に1年超、就労することなどを要件として転籍を認めることを記載。
ただ、転籍の容認に伴って地方・中小零細企業からの人材流出を懸念する声も寄せられていることに触れ、受け入れ対象分野によってはより長い期間の設定を認めるなど、経過措置を検討することも盛り込んだ。
最終報告書案では、技能実習に代わる新制度による就労者について、人手不足分野における人材確保という性格を明確化。3年間の就労を通じた育成期間で特定技能1号の水準の人材を育成するとし、特定技能制度の入り口と位置付けた。このため、受け入れ対象分野についても、特定技能制度の分野の中から設定する方向だ。
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