建設業許可と連携し事務手続き簡略化 建退共
勤労者退職金共済機構建設業退職金共済事業本部(建退共)は、共済契約者が住所変更などを行った際の事務手続きを、建設業許可などとの自動連携によって簡略化するワンストップサービスを導入する。建退共の電子申請方式を活用するもの。全ての共済契約者に対して、サービス利用の同意に関する書類を2024年1月ごろ郵送する。回答のあった事業所から順次サービスを開始する。
同サービスは、共済契約者の住所や名称、代表者の変更があった場合、建設業許可の変更届や法務局への変更登記の情報と自動連携し、これまで必要だった建退共支部への届け出を不要にするもの。
サービスの開始に当たり、建設業許可番号と法人番号の調査と、ワンストップサービス利用の同意に関する書類を1月ごろ、建設業許可の有無や法人・個人の別を問わず、全ての共済契約者に郵送する。その際、電子申請専用サイトのログインIDとパスワードを送付し、電子申請専用サイトを通じた回答を依頼、同サイトの利用率の向上も図る。
既に電子申請専用サイトを利用している共済契約者は、取得しているログインIDとパスワードを使って回答する。返信用はがきによる回答も受け付ける予定。
建退共の共済契約者に占める電子申請の申込率は8月末現在11・28%。ワンストップサービス利用の同意に関する今回の書類の郵送で、全共済契約者に電子申請専用サイトのログインID・パスワードを送付するため、電子申請申込率は実質的に100%になる。
一方、全共済契約者に占める電子申請専用サイトへのログイン率は8月末現在6・35%。また、電子申請による掛け金納付率は8月が4・1%の状況だ。
建退共では、23年度からの5カ年中期計画で、電子申請に関して、専用サイトのログイン率50%以上、電子申請による掛け金納付率30%以上を目標にしている。
この目標達成に向けて、建設キャリアアップシステム(CCUS)との連携強化や、共済契約や手帳更新などのオンライン申請機能の拡充、モデル地区の設定、ニーズに応じた説明会の開催などに取り組んでいく方針だ。
事務手続きを簡略化するワンストップサービスについても、中期経営計画の目標達成状況を見ながら、建設業許可と経営事項審査の電子申請システムとのバックヤード連携も関係機関と調整していく考えだ。具体化すれば、経審での加点に必要な建退共への加入・履行証明の手続きが簡略化されることになる。
【建通新聞社 2023/10/10】